【Radeon】ドライバ成熟記録 外伝 AMD Fluid Motion Framesの実力を見てみる
こんにちは、しきゆらです。
今回は、Radeon版フレーム生成機能であるAMD Fluid Motion Frames機能のプレビュー版ドライバが公開されたので、フレーム生成の実力を見てみようと思います。
Adrenalinのバージョンはv23.30.01.02になります。
なお、プレビュー版だからだと思いますが、v23.9.3と比べてみたところかなり性能が落ちているので旧ドライバとの比較はスキップしようと思っています。
これまでのドライバ性能比較は「ベンチマーク」からご覧ください。
プレビュー版ドライバのリリースノート
プレビュー版ドライバのリリースノートはこちら。
ダウンロードもここから可能です。
なお、プレビュー版ドライバなので安定を求めるのであれば眺める程度にしておくことをおススメします。
重要な注意事項
このドライバは、AMDの今後の機能を早期に確認するためのドライバーである。
問題が発生する場合や解決できない場合は、AMD自動検出・インストールツールを使って正規リリース版ドライバを入れなおしてください。
新機能ハイライト
- AMD Fluid Motion Frames(AFMF)テクニカルプレビュー: スムーズなゲーム体験のためのフレーム生成によるFPSブースト機能
- AFMFはRX7000シリーズおよびRX6000シリーズGPUにDirectX11および12を使ったゲームへフレーム生成技術を追加する
- コミュニティの要望に応えて、RX6000シリーズデスクトップGPU向けにも追加しています
- AFMFは速い動きの間にフレーム生成を止めることで画質を維持する
- AFMFはRX7000シリーズおよびRX6000シリーズGPUにDirectX11および12を使ったゲームへフレーム生成技術を追加する
知っておくべきこと
- AMD Fluid Motion Frames(AFMF)
- AFMFはHYPR-RXまたはAMD Fluid Motion Toggleを使って、DirectX11および12タイトルに対してグローバルに有効にできる
- AFMFはゲームは遅延が増える可能性があるので、協議タイトルなどではAFMFを無効にすることができる
- AFMFはゲームの遅延が増える可能性があるので、Anti-Lagと組み合わせることを推奨する
- 現時点では、AFMFは垂直同期を無効にしてゲームをプレイすることを推奨する
- 最適な環境を得るには、AMD FreeSyncディスプレイを使うことをおススメする
- AMFMはAMD Radeon Super Resolutionに似たアクティビティモニタを備えていて、AMDソフトウェアを使ってフレーム生成の有効・無効を確認できる
- AFMFは1080pディスプレイの場合は最低55FPS、1440p以上のディスプレイの場合は最低70FPSで動作するゲームで有効にすることをおススメする
- AFMFはゲームエンジンの外部でFPSを向上させるフレーム生成機能を提供する。 フレーム生成をした場合のFPSはAMDソフトウェアのパフォーマンスメトリクスで確認でる。
- 現時点ではサードパーティ製パフォーマンス監視ツールでは計測できない
- AFMFはHYPR-RXまたはAMD Fluid Motion Toggleを使って、DirectX11および12タイトルに対してグローバルに有効にできる
既知の不具合
- AFMFが有効になっているとき、ゲームの解像度が変更された場合やタスクを切り替えたときに断続的なドライバーのクラッシュが起こる場合がある
- 一部の144Hz以上のモニタでAFMFが有効になっている状態でウィンドウを切り替えると、画面がちらつく場合がある
- Xbox ゲームバーを閉じると、短時間画面が途切れる場合がある
- AFMFが有効になっている場合、FreeSyncディスプレイ上ではFPSが不安定になる場合がある
- パフォーマンスメトリクスオーバーレイが断続的に表示されない場合がある
- AMDソフトウェアが断続的にクラッシュし、AFMFが非アクティブになる場合がある
合わせて、手元の環境で起こっている問題を合わせて追記しておきます。
- 画面切り替えをしないとAMDソフトウェアのパフォーマンスロギングやオーバーレイ表示ができなくなる場合がある
- メトリクス情報がN/Aと表示されFPSを計測できなくなる
- 再起動して一発目にゲームを起動するとおおむね成功する印象
- スリープ復帰やモニタの電源OFF/ONをするなどすると失敗する印象
- ロギングで記録するフォルダをダブルクリックで階層移動できない
- ロギングでフォルダを選択してもパスが変更されない場合がある
- 数回クリックしてポップアップを閉じると反映される場合がある
ということで、Radeon RX7000シリーズ発表のころからフレーム生成機能を実装します!という話をしていたのに1年たっても追加の情報がなかったので、闇に葬られたのかと思っていましたが無事にRadeonでもフレーム生成機能が実装されました。
プレビュー版なので、外部ツールでFPS計測しても生成されたフレームは無視されたり、挙動が不安定だったりしていますが、何とかデータを取ってみました。
フレーム生成の有無によるFPSの違い
ホグワーツレガシー・Cyberpunk2077でデータを計測してみましたが、ホグワーツレガシーはAFMFが有効にならなかったので、今回はCyberpunk Adrenalin2077のみです。
また、今回から4K環境も試験的に追加してみました。
今後のドライバ性能比較では4K環境のデータも追加で計測できれば、と思っています。
計測は、いつも通りプリセット最高環境でレイトレ有・無、FSR2.1の有・無のほかにAMFMの有・無を記録してみました。
いつも通り数回ベンチマークを回しFPSの平均値をグラフ化しているので、数値が高いほど性能が良いことを表しています。
まずはプリセット最高・レイトレサイコの状況で各解像度ごとにFSRの有無、AFMFの有無を比べたものはこちら。
グラフの並び順はFSR無/AFMF無、FSR有/AFMF無、FSR無/AFMF有、FSR有/AMFM有の順番で並んでいます。
大まかに、下から上へ見ていくと解像度・支援機能の有無で負荷が重くなる順番で並べています。
結果を見ると、WQHD環境や4K環境のFSR無・AFMF有環境以外ではAFMFを有効にするとFPSが2倍程度出ています。
4Kの青グラフを見てわかる通り、FPSが低すぎてフレーム生成による恩恵があまり受けられていないようです。
これは、リリースノートで以下のように記載があるので、ある程度FPSが出ている環境でないとフレーム生成してもあまり意味がない、ということかと思います。
AFMF is recommended to be enabled for games running at a minimum fps of ~略~ 70 FPS for 1440p or above displays
雑翻訳: AFMFは1440p以上のディスプレイの場合は最低70FPSで動作するゲームで有効にすることをおススメする
https://www.amd.com/en/support/kb/release-notes/rn-rad-win-23-30-afmf-tech-preview
また、記録を見ると50FPS程度出ていればフレーム生成による性能の伸びは感じられそうな印象です。
また、FSRとAFMFを両方有効にすると、4K環境で平均100FPS程度出るくらいになるようです。
アップスケール・フレーム生成機能をすべて切った状態だと20FPS出ないくらい重いゲームでも、ガンガン支援機能を入れることでまともに遊べるくらいになってとても驚いています。
続いて、プリセット最高のままレイトレを切った場合を計測したものがこちら。
レイトレを切ると全体的にぐっと伸びています。
4Kネイティブでも70FPS弱出るので、支援機能がなくても安定して遊べそうです。
そして、FSRをかけたりフレーム生成を追加すれば安定して100FPSを超えて遊べそうな印象でした。
また、リリースノートにあった通りFPSがある程度高くなるとフレーム生成が止まるようで270FPSを超えるとフレーム生成は止まっているように見えます。
FHD環境でFSR・AFMF両方かけると、FSRのみの場合とほぼ同じようなFPSが出ているので、この辺でフレーム生成が無効になるのかなと思われます。
まとめ
今回は、Radeonユーザ待望のフレーム生成機能であるAMD Fluid Motion Framesのプレビュー版ドライバでありAdrenalin Edition 23.30.01.02がリリースされたので、フレーム生成の力を比較してみました。
噂ではFPSが2倍~3倍程度出るようになる、という話があったりなど怪しい話はちらほらありましたが、ふたを開けてみるとほぼ2倍程度のFPS向上が見られました。
FPSが2ケタの環境だと、微妙に残像感があったりフレーム生成と実際の描画の間に差が大きくてガクッと動いて見える場合があったりとまだ安定していない印象ではあります。
某ベンチマーク奴隷さんの解説によると生成されたフレームが描画フレームの間に均等に挟まるようになっていない、という話もあったのでまだまだ改良の余地がありそう。
また、今回の結果を見ると安定版としてリリースされたらRadeonでも重量級ゲームで安定して遊べるようになる未来があるかもしれません。
個人的には、今世代のRX7000シリーズではなく次世代のRadeon RX8000シリーズが出るころには安定しつつ動くようになればいいなぁと思っています。
安定版がリリースされ、数回更新が入った段階でようやくどの環境でも安定して動くようになってからが本番でRadeonもおススメできるようになるかな、と思っています。
ただ、このころにはGeForce側でもDLSS 4とかがリリースされて間が埋まらない、という感じになりそうだなと。
もっと早く出してくれれば溝が埋まったのになぁ、と思いつつどのグラボでも使えるようオープンに作るとなるとそう簡単ではないだろうと思われるので難しいところだな、というところでした。
今回は、ここまで。
おわり
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