【Radeon】SAPPHIRE Nitro+ RX 9070XTを購入したのでNitro+ RX 7900XTXと比較してみる

Windows,環境構築

こんにちは、しきゆらです。
今回は、待ちに待った9070XTを購入できたので、もともと使っていた7900XTXと比較してみます。

7900XTXを購入してはや2年、ようやく乗り換え先の9070XTが手に入りました。
簡易的にデータを取って比較してみたのでどうぞ。

・・・データ取得中に電源から破裂音がして動かなくなったのは別のところで。

Radeon RX 9070XTとは

概要

Radeonとは、という部分は過去にも書いているのとそもそもこういうことを知りたい人はこの記事読んでいないと思うので割愛。

9070XTとは、2025年3月7日に発売されたRadeon GPUの新製品です。
RDNA4アーキテクチャを採用し、プロセスの微細化・演算ユニットやレイトレーシングユニット等の世代更新により前世代のRDNA3と比較してパフォーマンスが向上しつつ発熱や消費電力が抑えられているのが特徴です。

RX9000シリーズではハイエンドモデルは用意されておらず、RX5000シリーズと同様に最上位が70番台となっています。
なので、9070XTが最上位となっています。

以下に9070XTと前世代のRX7000シリーズの最上位、同スペック帯のRX7700XTの比較を以下に表としてまとめておきます。

RX 9070XTRX 7900XTXRX 7700XT
演算ユニット649654
ストリーミングプロセッサ409661443456
レイアクセラレータ64 (Gen. 3)96 (Gen. 2)54 (Gen. 2)
AIアクセラレータ128 (Gen. 2)192 (Gen. 1)108 (Gen. 1)
ブースト周波数2970MHz2500MHz2544MHz
ゲーム周波数2400MHz2300MHz2171MHz
メモリバス640GB/s960GB/s432GB/s
VRAM16GB24GB12GB
消費電力304W355W245W
推奨される最低電源容量750W800W700W

RX 7900XTXと比較すると、もちろんハイエンドモデルとミドルハイモデルなのでコア数やVRAM容量は大きく差があります。
一方で9070XTはクロック数が高いです。
この辺の違いがゲーム性能にどう影響するのか。

噂ではRDNA4を採用した最上位モデルとしてリリース予定だったチップは開発されていたようですが、高コストすぎて中止されたとかなんとか。

では、ここからは購入したモデルについての話。

SAPPHIRE Nitro+ RX 9070XT

今回購入したのは、SAPPHIREの「NITRO+ RX 9070 XT GPU」。

ここ数世代Nitro+のシリーズを買っているので、今世代でもNitro+を購入しました。
全然手に入らず、いつ買えるかなぁと思っていましたがなんとか手に入りました。

スペックを以下にまとめておきます。
上記のリファレンススペックとNitro+ RX 9070XTとの比較を表にまとめます。
なお、Nitro+の方は公式サイトやTRIXXアプリ上の表示をもとにしています。

RX 9070XTNITRO+ RX 9070XT
ブースト周波数2970MHz3060MHz
ゲーム周波数2400MHz2520MHz
メモリバス640GB/s644.6GB/s
消費電力304W330W
推奨される最低電源容量750W750W

Nitro+ RX 9070XTは補助電源コネクタが12V-2×6コネクタとなっています。
8ピンコネクタではないので、変換ケーブルを使うかATX3.1に準拠した電源を使う必要があるので注意。

では、以下からは開封の儀です。

開封の儀

まずは箱。いつも通りのロゴ。

中の箱はこんな感じ。
ちゃんとした黒い箱でした。

箱を開けるとこんな感じ。
本体ではなくバックプレートが郵便物のような形で入っていました。

バックプレートの下に本体やら紙類やらが入っています。

付属品としては、8ピンケーブル3本を12V-2×6に変換するコネクタ、LEDケーブル、GPUを支えるステーが入っています。

本体はこんな感じ。
ファンの周りは金属フェンスのような形で小さい穴が開いています。
ただ、ヒートシンク側に抜けておらず見た目だけ。

背面はこんな感じ。
端は抜けていますが、ケーブルを裏側からさすためケーブル保護のためにスポンジがついています。
・・・抜けているがスポンジがついていると排熱がどうなるのか気になるとこ。

上部はこんな感じ。
これまではここにケーブルのコネクタがありましたが、背面からさす形になっているためにすっきりしています。
RADEONの文字とNitro+のロゴが小さくあしらわれていてよき感じ。

コネクタ側はこんな感じ。
HDMI2つとDP2つ。
そしてコネクタ上部は排熱のために開いています。

お尻側は閉じているタイプ。

では、これまで使っていた7900XTXと比較してみます。
上が7900XTX、下が今回購入した9070XTです。

サイズを比較すると、9070XTの方が若干サイズが長いです。
7900XTXがギリギリはいるようなケースだと若干怖いかもしれません。

裏側はこんな感じ。
こう見ると7900XTXはあまり裏側が開いていないんだなぁという印象。

上部はこんな感じ。
見えにくい手ですが、7900XTXと同じ個所に9070XTにもLEDが入っています。

取り付けて電源を入れるとこんな感じに光ります。
鮮やかにLEDが輝いています。まぁ、すぐ止めるんですけど。
そして、こちら側にケーブルが出ていないのできれいに撮影できますね。
PCケースから見えるのがこの角度なので、ケーブルがないだけですっきりして見えます。よき。

では、次からはベンチマークを回していきます。

ベンチマーク

性能を計測して比較していきます。
PCの構成は以下の通り。

CPUAMD Ryzen 9 7900X
GPUAMD Radeon RX 7900XTX | AMD Radeon RX 9070XT
メモリDDR5 96GB (5600MHz)
PC構成

グラフは、凡例に書いていますが青が7900XTX、赤が今回購入した9070XTです。

3DMark

今回からFire Strike、Time Spyの計測をExtremeにしてみました。
では、結果です。

こう見ると、Fire Strike Extreme・Time Spy Extreme・Steel Nomadは7900XTXの方がスコアが高く、Port Royal・Speed Wayは9070XTの方がスコアが高い結果となりました。
RDNA4ではレイトレ性能がRDNA3と比較して2倍、と発表されていましたがPort Royalのスコア差はその影響かなと思います。

一方で、コア数ほどのスコア差は出ていない印象です。
それぞれのコア数・コア世代・クロックが異なっているので単純に比較はできませんが、この程度の差であれば7900XTXから乗り換えるのも全然おかしくなさそうな印象です。

なお、消費電力も何度か計測してみましたが、7900XTXは360~380W程度、9070XTは310w前後でした。
だいぶ消費電力もおとなしい。

Cyberpunk 2077

まずはプリセット最高、FSR3無しの状態での結果はこちら。

結果を見ると、レイトレ有効の場合は9070XTがFPSが高いです。
レイトレを無効にすると7900XTXの方がFPSが高いですが、~6%程度しか差がありません。
VRAMもコア数も9070XTの方が少ないのに、この程度の差しか出ていないのでRDNA4がかなり優秀ということがわかるかと思います。

続いて、FSR3を有効にした場合がこちら。
なお、7900XTXのレイトレ無効の場合を計測し忘れたのでご了承ください。

これを見ると、WQHD・4KでぐっとFPSが伸びています。
4K/レイトレサイコでも60FPSを超えているので、十分遊べそうな印象。

続いて、フレーム生成を有効にした場合がこちら。

FHD・WQHDのレイトレ無効の場合は7900XTXの方がFPSが出ていますが、それ以外の場合では9070XTの方がFPSが出ています。

ここまで、Cyberpunk 2077の結果を見てきました。
結果を見るとVRAM・コア数が大きい7900XTXよりもFPSが出ている個所が多くみられました。
RDNA4はとても優秀。

なお、ベンチマーク中の消費電力は以下の通り。
7900XTXは400w前後、9070XTは300w前後でだいぶ差がありました。
FPSが出て消費電力も小さいという結果でした。

Monster Hunter Wilds Benchmark

MHWsのベンチマークをプリセットウルトラで回した結果です。
まずは、FSR無効の状態でレイトレのON/OFFで比較した結果がこちら。

モンハン番長と言われたりしていますが、4Kレイトレ有効でも7900XTXよりもスコアが高いです。
どの場合でも9070XTがスコアが高いので、モンハンをやる場合は9070XTを買った方がよいかも。

続いて、FSR3を有効にした場合の結果はこちら。

結果を見ると、4K/レイトレ無効の場合で7900XTXがスコアが高く担っていますが、それ以外は9070XTの方がスコアが高い場合がほとんどです。

続いて、FSR3とフレーム生成を有効にした場合がこちら。

結果の傾向はあまり変わらず。
また、フレーム生成を有効にした場合にスコアが下がるのも依然計測した時と同様ですね。

ここまで、MHWsのベンチマークを計測した結果を見てきました。
ここでもVRAM・コア数が少ない9070XTの方がスコアが高い場面が目立ちました。

消費電力はCyberpunk 2077の時と同様に7900XTXは400w前後、9070XTは300w前後でした。

合わせて、実際のゲームをやってみた印象もメモしておきます。
4K環境で「最高(高解像度テクスチャパック)」の場合は、ギリギリVRAMからあふれるのか、場面によってはガクッとFPSが落ちる場面がありました。
高に落とすか、ほかの設定を落とすと問題は起こらなくなりました。
高解像度テクスチャパックはVRAM16GB以上が推奨、となっていますが、場面によってはF{Sが安定しなくなるため、高解像度テクスチャパックでMHWsを遊びたければ7900XTXのようなVRAMが大きいGPUを使うことをお勧めします。

ハローアスカベンチマーク

WSL2上のComify UI上で画像生成した時の時間も比較してみました。
ハローアスカベンチマークの設定で画像を10枚連続で生成した場合の合計時間を比較した結果がこちら。

比較すると、10秒ほど9070XTの方が速いという結果となりました。
AIアクセラレータの世代も上がって性能上がりました、と発表されていましたが結構大きく変化が見られました。

LM Studio

ベンチマークというほどではないですが、同じモデルに対して同じ文言で問い合わせた結果の比較をしてみました。

APIを実行したときに起こった認証エラーについて、エラーコード・エラーメッセージとこの原因は何ですか、と聞いた時の結果はこちら。

7900XTX: ・97.93 tok/sec・335 tokens・0.18s to first token
9070XT : ・82.22 tok/sec・335 tokens・1.34s to first token

Rustのコードを生成させたときの結果がこちら。

7900XTX: ・90.27 tok/sec・563 tokens・0.10s to first token
9070XT : ・87.67 tok/sec・602 tokens・0.37s to first token

9070XTは7900XTXよりもVRAMが8GB少ないですが、ほぼ同じくくらいの速度で生成してくれました。
ただし、実行して文字が表示されるまでの時間は7900XTXの方が速いです。
とはいえ、ほぼ同じくらいの速度が出るのであれば、9070XTでも問題はなさそうな印象です。

一方で、大きいモデルを使う場合や複数アプリでVRAMを引っ張り合うような環境では、やはりVRAMが大きいほうが安定して処理してくれます。
ブラウザで動画見ながら実行してみると、9070XTはVRAMからあふれるからか急激に遅くなる場面がありました。

ローカルでチャットGPTのような対話型AIを動かしたい、という方にはVRAMが多いGPUを使うことをお勧めします。

まとめ

今回は、RX9070XTを購入できたので、これまで使っていた7900XTXと比較してみました。
正直、ハイエンドではないので7900XTXに戻すことも視野に入れていましたが、ほとんどの場面で9070XTの方が性能が出ることがわかりました。
VRAMを多く使う用途、今回の例だとMHWsの高解像度テクスチャパックを使う場合や大きなモデルを使った対話型AIを使いたい、などの場合は7900XTの方が合っていました。
一方で、純粋なゲーム用途であれば9070XTでも困る場面はあまりなさそうな印象でした。

消費電力も9070XTの方が100wほど低いので、電気代が高い昨今においては9070XTの方がよいのかな、というところ。

今回は、ここまで。

おわり

Posted by しきゆら